冬に枯れるのはなぜ?ハエトリソウの休眠と冬越しの注意点
ハエトリソウ(Dionaea muscipula)はユニークな食虫植物ですが、冬になると「枯れてしまった?」と思うほど弱々しくなることがあります。実はこれは「休眠」という生存戦略で、適切に管理すれば翌春に元気を取り戻します。この記事では、冬越しに失敗して枯れないための注意点を解説します。
【1. ハエトリソウの休眠とは?】
原産地は北米のノースカロライナ沿岸の湿地。冬は気温が0〜10℃に下がり、日照時間も短くなります。
この環境に適応するためにハエトリソウは休眠状態に入り、成長を止めてエネルギーを温存します。
→ 見た目が茶色くなり、葉が枯れ込むのは自然なサイクル。
【2. 冬に枯れたように見える理由】
・古い葉やトラップは役割を終えて茶色化
・地上部がほぼ消えても、地下の球根状の根茎は生きている
・休眠をスキップすると翌年に株が弱り、数年で枯死することも
【3. 冬越しの環境条件】
◎ 温度:0〜10℃が理想。5℃前後で3〜4か月休ませる
◎ 光:完全な暗闇はNG。短日でもよいので弱光は当て続ける
◎ 水:完全断水は不可。腰水は浅め(0.5〜1cm)で維持し、過湿は避ける
◎ 湿度・風:蒸れないように風通しを確保し、カビを防ぐ
【4. よくある失敗と対策】
❌ 室内で20℃以上に保ち続ける → 休眠できず体力消耗
❌ 水を切らしてしまう → 根が乾燥死
❌ 暗室にしまう → 光不足で根茎が弱る
❌ 強い霜に長期間当てる → 凍結ダメージ
→ 寒冷地では「無加温の明るい屋内」や「屋外の防寒ケース」が安心。
→ 温暖地では屋外でもOK。ただし強霜が続くときは簡易カバーで防ぐ。
【5. 春の再生】
2〜3月頃、気温上昇とともに新芽が展開。
冬に古い葉が枯れ落ちても、春に健康な新葉が出れば成功です。
植え替えもこの時期がベスト。
【まとめ】
冬にハエトリソウが枯れたように見えるのは「自然な休眠」。
・0〜10℃で冬越し
・光と水を完全に絶たない
・蒸れや凍結を防ぐ
これらを守れば、翌春に元気な姿を取り戻します。休眠を理解して管理できれば、ハエトリソウを長く楽しむことができます。