夏が来る前に準備を!植物の害虫対策
皆様こんにちは、
植物のお医者さん、Green Designの滝口です。
早いもので、もう6月です。
そしてもう真夏かというくらいに気温が高くなる日が数日ありましたね。
これから、日本は梅雨に入るわけなのですが、
雨を沢山吸った植物たちは、気温の上昇につれてどんどんと大きくなります。
そして、夏になって元気になるのは植物だけではありません。
嫌な虫たちも活発になるわけです。
今回は、植物を育てる上で必要な害虫対策についてご紹介したいと思います。
害虫の種類
庭木の害虫
主に外に植えてある樹木につく害虫です。
植えている樹種によって変わってきますが、ここでは代表的な害虫をピックアップします。
毛虫
庭木害虫の代表と言っても良いでしょう。
どんな木にも、毛虫はつきます。
主にガやチョウの幼虫ですが、葉を食害するだけでなく、体毛を飛ばして皮膚をかぶれさせるなど、人間にも実害が出る危険な害虫です。
ここでは、主に庭木に湧きやすい毛虫をご紹介します。
〇イラガ
・特徴
幼虫は「電気虫」と呼ばれるくらいに刺激的な痛みを伴う毒針を持っています。
黄緑色の派手な色合いで、葉の裏側などに密集して葉を食害します。
集団で発生するため、あっという間に葉を食べられてしまいます。
前述の通り、触ると強烈な痛みが走り、水泡が出るなどかぶれの症状が引き起こされ、1日中痛みが続きます。
しかし、1日過ぎると痛みは引くことが多いそうですが、重症化すると皮膚に後遺症が残る事もあります。
絶対に触らないように気を付けてください!
(引用 https://www.earth.jp/earthgarden/zukan/gaichu/iraga.html)
・発生する樹木
幅広い樹木に発生します。
カエデ類、モクセイ科、果樹類、バラ科(サクラ、ウメなど)
雑食性の虫なので、どんな庭木にもつくと考えた方が良いでしょう。
葉がかけていたら、注意が必要です。
・対処法
春に木の剪定をして葉のボリュームを減らし、夏前には殺虫処理をしましょう。
イラガの対処には、スミチオン、マラソンなどを薄めて散布するのが最適です。
背の高い木には蓄圧式でノズルがついたスプレーが散布しやすいです。
〇チャドクガ
・特徴
葉の裏に集団でびっしりと発生し、葉を食害します。
接触するだけでなく、風で飛ばされた毒針によって体がかぶれ、痛みやかゆみを伴う事があります。
チャドクガが発生した木には、近寄らないようにすることが一番です。
春に葉の裏に卵を産み付け、夏に幼虫が成長します。
一気に葉を食害することで、葉が少なくなってしまいます。
混みあった樹や、消毒をしていない樹に発生しやすいので、梅雨前に剪定し、消毒処理をすることが大切になります。
・発生する樹木
ツバキ、サザンカ、チャノキ、ヒメシャラなど
主にツバキ科に発生しやすい害虫です。
・対処法
春に木の剪定をして葉のボリュームを減らし、夏前には殺虫処理をしましょう。
対処には、スミチオン、マラソンなどを薄めて散布するのが最適です。
背の高い木には蓄圧式でノズルがついたスプレーが散布しやすいです。
(引用 https://www.earth.jp/earthgarden/zukan/gaichu/chadokuga.html)
アブラムシ
・特徴
葉や花などの比較的柔らかい部分に発生し、茎から樹液を吸汁します。
1匹いると増殖が可能なため、すぐに大量発生します。
ウイルスを媒介することがあり、病気の元になる為、しっかり殺虫しなければいけません。
樹液を吸われると植物が弱ります。葉の生育に悪影響を及ぼします。
アリと共生をすることで天敵のテントウムシから身を守ります。
アブラムシがいるとアリの害を誘発する恐れがあります。
・発生する樹木
幅広い植物で発生します。主に茎の柔らかい花苗や野菜苗、果樹類、花木類に発生する傾向があります。
・対処法
直接虫に噴射するベニカファインスプレーやマラソンが効果的です。
土に撒くタイプの殺虫剤ではオルトランやベストガードがおすすめです。
牛乳を吹きかける方法もありますが、匂いのことなどがあるので、薬剤に頼ることがおすすめです。
アリ
・特徴
アリは一見植物に対して害はなさそうに見えますが、老木などは木の皮がボコボコしているので、アリが木の中を食い破り、巣作りをしてしまう事があります。
特に枯れた枝や幹をそのままにしておくと、アリが巣をつくり、中に空洞ができます。
脆くなった幹が雨風に晒されて腐敗し、ある日突然上から落ちてくる事があります。
前述のアブラムシがアリをおびき寄せるため、植物にアリの行列が出来ている時は、だいたいアブラムシがセットで見つかります。
出来うることなら、アリもアブラムシも除去した方が良いでしょう。
・発生する樹木
老木や枯れ枝などに巣をつくる傾向にあります。
アブラムシが湧く植物には、アリが群がっています。
・対処法
アリ専用の殺虫剤が市販されています。
液体タイプ、固形タイプなどありますが、水平な地面に置く場合は固形の誘引タイプが良いでしょう。
直接アリの巣や木の幹にかける場合は、液体タイプがおススメです。
ハチ
・特徴
想像しやすい危険な虫です。
日本にハチはたくさんいます。園芸をやっている中で最も被害にあいやすいのは、アシナガバチやスズメバチでしょう。
花の蜜や昆虫を捕らえにやってくるハチですが、枝葉が混みあっている木の中や灌木に巣をつくる事が多いです。
巣を刺激したり、攻撃を死寝ければ襲ってこないですが、万が一巣の近くで作業などしていると、急にハチに攻撃されることがあります。
こればかりは防ぎようがありません。
2回刺されると、アナフィラキシーショックという過剰免疫反応が働き、重症化することがあるため、大変危険な虫と言えましょう。
・発生する樹木
灌木、枯れ木、コニファーや生け垣などの枝葉が茂った樹
・対処法
ちゃんと剪定を行い、常に枝葉のボリュームを少なく保つことが重要です。
目安は、剪定した木を覗いて、向こう側が見えるくらいのボリュームが良いでしょう。
ハチ専用のジェットスプレー型の殺虫剤があるので、離れた場所から直接スプレーできます。
くれぐれも近くから噴射したり、直接攻撃しないように気を付けてください。
コガネムシ
・特徴
成虫は、固く色鮮やかな羽を持つ甲虫です。
土の中に卵を産み、幼虫が植物の根を食害します。
あっというまに根を食べられてしまうため、根を失った植物は地上部が枯れ始め、最後は土の中の支えを失って倒れてしまいます。
土の中で気が付かず、なぜか葉が枯れてくる場合は、コガネムシが湧いている可能性が高いです。
土を掘って確認してみると、沢山出てくることがあります。
・発生する樹木
樹種に関係なく、有機質を多く含む土壌に産卵します。
つまり、良い土壌ほどコガネムシが卵を産みやすくなるということです。
・対処法
土を掘り返し、直接取り除く方法。
オルトラン顆粒、ダイアジノンなどの殺虫剤を用いた方法があります。
カミキリムシ
・特徴
カミキリムシは別名「テッポウムシ」と呼ばれる虫です。
春先に木の幹を食い破り卵を産み付けます。
卵から孵った幼虫は、木の中を食い破り成長します。
そのまま蛹となり、成虫になると幹を食い破って外に出ます。
幼虫が木の中にいると、小さな穴が開き、おがくずが穴から出るので、容易に発見できるでしょう。
幹の中が食い破られるので、徐々に木の健康状態が悪くなり、葉が落ちたり、枝が枯れます。
強風時に、太い枝が折れて落下するなどの被害が出る事もあります。
あまり高いところには産卵せず、根元から50㎝程の場所に産卵します。
成虫を見つけたら、庭木に産卵されている可能性が高いと考えた方が良いでしょう。
(引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%9F%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%82%B7)
・発生する樹木
幅広い樹木に対し影響を及ぼします。
果樹、かんきつ類、紅葉、オリーブ、バラ科(サクラ、ウメ、エゴノキ)など
・対処法
カミキリムシ用の専用ノズルのついた殺虫スプレーを、産卵時に開けた穴から噴射します。
幼虫の通り道は木の皮が柔らかくなっているので、はがすと幼虫が出てきて捕らえることができます。
皮を剥いだあとは、トップジンペーストを塗って保護しましょう。
室内観葉植物の害虫
ハダニ
・特徴
葉の裏や表面に密集して現れます。
くもの巣上の糸を出して足場をつくり、集団でうごめいているのが見られるでしょう。
葉の表面から樹液を吸い、植物を弱らせてしまいます。
特に新芽などの柔らかい部分に発生しやすく、
繁殖力が強いため、1匹いると大量に増殖してしまいます。
ハダニの排泄物はベタベタしており、放置するとすす病というカビ由来の病気を引き起こします。
二次被害を誘発するため、ハダニを見つけたら初期段階で対処する事をお勧めします。
・発生する樹木
植物全般。
柔らかい葉や、大きい葉には発生しやすいです。
・対処法
水に弱いため、霧吹きやシャワーで葉を洗い流してやると対処できます。
葉が混みあわないように、適宜剪定して葉の数を整えてやることも大事です。
水で洗い流しずらい場合は、オルトラン顆粒やベニカファインスプレー、マラソンなどの液体殺虫剤を散布するのも効果的です。
カイガラムシ
・特徴
植物の幹や柔らかい茎に発生します。
新芽や柔らかい葉、枝の又部分などに発生しやすく、風通しが悪く、枝葉が密集したところにも湧きやすいです。
カイガラムシは実に400種類いると言われています!
固い殻をもつタイプや、白く粉のような体を持つタイプなど、様々なカイガラムシがいます。
ハダニと同じく、樹液を吸って植物に害を与えます。
大量に増殖すると、取り除くのも難しくなります。
カイガラムシの排泄物はベタベタしており、放置するとすす病というカビ由来の病気を引き起こします。
二次被害を誘発するため、見つけたら初期段階で対処する事をお勧めします。
・発生する樹木
ほとんどの樹木に発生すると言ってよいでしょう。
特に茎が柔らかい植物には特に発生しやすい傾向があります。
またマメ科の植物には、本当によくカイガラムシが発生します。
アカシア類、エバーフレッシュなどはカイガラムシが付きやすい印象を受けます。
・対処法
カイガラムシ用の専用殺虫剤があるので、見つけ次第噴射して殺虫します。
1発では殺虫しきれないことが多いので、数回噴射することで確実に殺虫します。
その他、オルトランやオルチオンなどの殺虫剤、カルホスという農薬指定されている薬剤も効果ありです。
最も簡単な方法は、ブラシと流水でこそぎ落とす事です。
見つけ次第、初期段階で落としてやりましょう。
大量発生すると、手で落としずらくなるので注意です。
キノコバエ
・特徴
観葉植物を育てていると必ずと言っていいほど湧いてくるハエです。
黒い色をした小さなハエで、土に卵を産んで増殖します。
土があると発生するハエなので、植物を室内で育てている方は、しっかり対策が必要になります。
植物には直接被害がないため、ただの不快害虫ではありますが、
虫が湧かないようにするに越したことはありませんね。
・発生する樹木
土を使う室内観葉植物に発生します。
・対処法
オルトラン粒剤を土に撒くことで、土の中に存在する卵や幼虫を殺虫できます。
また、スプレー式殺虫剤を株周りに撒くことで成虫を殺虫できます。
土の中の幼虫と、空中にいる成虫の両者に対処することで効果的に対処できます。
コバエポットなど、誘引性のコバエとりは効果がありませんのでお気を付けください!
まとめ
植物を育てていると必ず一度は害虫の被害にあう事でしょう。
大量発生すると、植物に対して大ダメージになってしまうので、注意が必要です!
また、大量発生してからでは対処の使用がなくなる事も多いでしょう。
まずは、虫を寄せ付けないように、しっかりお手入れする事が大切です。
・春先に剪定する
・枯れ枝を残さない
・枝葉を茂らせすぎない
・消毒する
・肥料で植物の活力を付ける
これらを守ってやるだけで、虫の被害は最小限に食い止めらえるでしょう。
梅雨に入る前の今こそ、しっかり剪定して、害虫対策しましょう!
庭木の剪定でお困りの方は、お気軽にご相談ください!
お問い合わせフォーム、もしくは以下でもご連絡可能です!
電話: 090-3817-4844
Mail : green.design.19881108@gmail.com
LINE : @efc9662d
前の記事へ
« 防犯とお庭つくり次の記事へ
二度と雑草取りしなくて良いお庭の作り方 »