ハイドロカルチャーについて -土栽培と比較したの長所と短所-
近年流行っているハイドロカルチャーをご存じでしょうか?
ハイドロカルチャーはつまり、水耕栽培で育てる観葉植物の事です。
土を使わないので、虫が湧きずらく、清潔に育てられるメリットがあり、ガラス容器に水を溜めて育つ姿がおしゃれで、ここ最近人気が出てきました。
そんな水耕栽培のメリット・デメリット、土栽培との違いなど、解説していこうと思います。
ハイドロカルチャーについて
ハイドロカルチャーは水耕栽培であると、上で説明いたしましたが、ちょっと詳しく解説します。
ハイドロカルチャーの苗というものが市販で売られています。
ハイドロボールという水耕栽培用の植込み材に入った苗で、販売店では水が溜まった容器や、潅水装置の中につけられて売られています。
水耕栽培用の植込み材を用いて、コップの様に水の溜められる容器の中に植えこむことで育てることができるのです。
大きさも様々あり、容器の大きさが直径4.5cm~21cmと幅広いサイズ展開があります。
大きなものは、170㎝くらいの大きな植物もあり、ほとんどのサイズが網羅されています。
主に観葉植物を中心にハイドロカルチャーで販売されているのですが、実際水だけで植物は育つのでしょうか?
実は、観葉植物は水耕栽培の環境では、水栽培用の根を出して生活するのです。
土栽培にすると、土用の根を出して生活しています。
これは、浸透圧の影響で、性質の違う根が発生するのです。
土の中は、周りにたくさんのミネラルや有機成分があるため、根の体液より、周りの濃度が濃い環境になります。
一方、水だけで育てる環境では、根の体液の方が水より濃度が濃いです。
このように、根の周りの環境が濃いか薄いか、それによって発生する根の表皮の性質が変わり、根と外界の水の出し入れを調節しているのです。
よって、水だけの環境でも観葉植物を育てることができるわけです。
ただし、肥料成分が少ないなどの欠点もあるので、そのあたりは、後ほど詳しく解説いたしましょう。
ハイドロカルチャーに必要な物
まず、ハイドロカルチャーを植えこむのに必要な道具をご紹介いたします。
・水を溜められる器
コップの様に水を溜められる容器でないとハイドロカルチャーを育てることができません。逆に鉢底に穴の開いたタイプの鉢は、水が流れ出てしまい管理することができないので、気を付けてください。
ガラス製のお気に入りの容器に好きな植物を植えると、楽しみの幅が広がりますね。
器の大きさは、大きすぎると、水の量が多くなり根腐れを引き起こしてしまうので、
根がちょうど収まるくらいの大きさがベストです。
・根腐れ防止剤
水が常に溜まっていると、酸素が少なくなって根がダメになってしまう恐れがあります。
これが根腐れです。
根腐れ防止剤として、イオン交換剤を入れておくと良いでしょう。
おすすめなのは、ミリオンという製品で、器の底に撒いて植込みをするだけで、
根腐れを防止することができるのです。
参照:https://www.yodobashi.com/product/100000001002109964/?gad1=&gad2=g&gad3=&gad4=452567830515&gad5=7386333688348401343&gad6=&gclid=CjwKCAjw4c-ZBhAEEiwAZ105RVwsu1Bv9FHW5xyE7PZQj1Dbtsc9rCM1q-Nz7PVBe0O9Rz10oazA6xoCFFsQAvD_BwE&xfr=pla
・植込み材
植込み材は、ハイドロカルチャー専用の植込み材を使用します。
植込み材の働きとして、植物を固定するだけではなく、植込み材自体に細かい穴が開いており、そこに気泡ができます。
根が植込み材に触れると、小さい気泡から酸素を取り入れて、窒息することなく生きることができるのです。
なので、ビー玉などのハイドロカルチャー専用の製品を使用すると、上手く育てずらいと思われます。
必ずハイドロカルチャー用の植込み材を使用してください。
〇セラミス
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参照:https://www.shopping-charm.jp/product/2c2c2c2c-2c2c-2c2c-2c2c-2c3532353838
セラミスは陶器のような素材の植込み材です。
一粒ずつに小さな穴が開いている多孔質な商品のため、根が傷みずらく、植物をハイドロカルチャーで育てるのに最適です。
また、水の吸い上げもよく、水をやるとすぐにセラミスに水が浸みこみます。
渇きも良く、しばらくすると、カラッと乾く水はけのよさも兼ね揃えています。
〇レカトン
こちらもハイドロの植込み材として有名です、ハイドロ苗はこれで植えられていることが多いです。
レカトンも多孔質な粒で、粒の間に空気を含んでおります。
取り出して洗いやすく、繰り返し何度も使用できるコスパの良い商品です。
セラミスの様に水の吸い上げ力はあまりありませんが、安価で手に入るため、
気軽にお試しできる商品です。
・活力剤
ハイドロカルチャーでは肥料を与えることができません。
液肥を与えることもできるのですが、肥料を与えると藻が発生してしまい、見栄えが悪くなってしまいます。
ハイドロカルチャーで植物を育てるときには、ハイドロカルチャー用の活力剤を使用して下さい。
こちらのキュートがおススメです。
ハイドロカルチャーにためている水にダイレクトに混ぜることで効果を発揮します。
栄養の少ないハイドロカルチャーにはしっかり後から活力剤を入れる必要があります。
肥料ではないので、内部に藻がでずらいです。
ハイドロカルチャーは基本的に肥料を必要としません。
ハイドロカルチャーの育て方
ハイドロカルチャーを植えこんだ後は、水の管理が大切になります。
お水やりは、こちらの方法を必ず守って管理してください。
水が全部乾いてから1日待ち、鉢の高さの1/3程水を入れる。
このやり方を守っていれば、基本的にダメになることはありません。
ハイドロカルチャーで植物がダメになるケースのほとんどは根腐れです。
常に根が水に濡れていて、根が呼吸することができずに、ふやけてダメになるのです。
正しい水やりをすると、1日乾かす時期があります。
根っこが空気に触れて、息継ぎすることができるわけです。
この息継ぎ期間が無いと、根腐れして枯れます!
このあたりは土栽培も同じで、一度根を乾かして呼吸させることが、根の発育につながるのです。
土栽培との差
ハイドロカルチャーと土栽培の違いについてまとめます。
水やり
土栽培の場合は、培養土がしっかり乾いてから、鉢下から水が出るまで、たっぷりと水やりをします。
ハイドロカルチャーは、植込み材がしっかり乾いてから、器の1/5~1/3の高さに水を溜めて管理します。
鉢下から水が出ないのはハイドロカルチャーの特徴ですね。
清潔さ
土はこぼしてしまったときに床を汚してしまう恐れがあります。また、コバエが湧きやすくなるデメリットもあります。
一方ハイドロカルチャーは、こぼれても水と植込み材だけ。ハエもわきずらいため、清潔さではハイドロカルチャーが勝るでしょう。
キッチンや水回りで育てるのはハイドロカルチャーがおススメでしょう。
虫
上記のとおりですが、土はキノコバエが発生してコバエの被害にあうことがあります。
ハイドロカルチャーにはハエは寄ってこないため、虫の被害が少ないのもハイドロの特徴ですね。
管理のしやすさ
土栽培も水を与えるだけですが、流れ出た水を排出する手間があります。
水を溜めて清潔に管理がしやすいハイドロカルチャーは、とても管理しやすい育て方だと思います。
手間をかけずに育てるのは、ハイドロカルチャーの方が優れていると思われます。
ハイドロカルチャーの長所と短所
長所
上記の様に、ハイドロカルチャーは管理が簡単で、清潔に育てることができます。
これは土栽培には無い特徴ですね。
また、植物を大きくしたくない人にはハイドロカルチャーがおススメなのです。
なぜかというと、土栽培では、もともと土に植物の肥料成分が入っており、養分を取り込んで植物がすくすく育つのです。
一方で、ハイドロカルチャーは水だけで育つため、ミネラルや栄養素はほとんど入っていません。
よって、ハイドロで育てた植物は大きく成長しないのです。
数年間育てると、ハイドロカルチャーで育てた植物と、土で育てた植物の生育に大きく違いが出ることが分かると思います。
短所
逆を返すと、栄養が少ない水だけで育てているので、植物が強く成長することができず、健全な株には育ちません。
植物にとって水だけで育てるのは、不自然な環境なので、できれば土で育てていただいた方がおススメです。
だからと言って、肥料を入れてしまうと、植込み材に藻が湧いてしまい、ガラス面が真っ黒になってしまいます。
見栄えが悪くなってしまい、藻は一度湧いてしまうと除去するのが大変です。
決して肥料は入れないように気を付けましょう。
まとめ
大人気のハイドロカルチャーは、管理の簡単さ、虫のわかない清潔さにおいて、とても優れた育て方ですね。
一方で、長い目で見ると、あまり健康な株には成長できず、少し栄養状態が悪くなることもあります。
私個人的には、植物は土で育てて、健康にそだてた方が長く楽しめると思うので、
しばらくハイドロで育てて、根がいっぱいになったら土栽培に切り替えを検討しても良いかもしれません。
ライフスタイルにあわせて植物を育てられる、画期的なシステムのハイドロカルチャー。
清潔感を持って植物を育てたい方に、とてもおススメです。
初めて植物を育てる方も、是非お試しください!
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