【大切な事なので必ず読んでほしい】植物を買ったら絶対に抑えるポイント!樹医の私が解説いたします。
おそらくこの記事を読んでいる方は、最近植物を新たにお迎えした方が多いのではないのでしょうか?
せっかくお家にお迎えした植物、絶対に枯らしたくないと思います。
ただ、気を付けていただきたいのは、植物は買ってきて約3か月~半年がもっとも注意が必要な時期なのです。
私が訪問診療をしてきた中で、6割くらいの方は、半年以内に購入した植物の体調が悪くなったとお悩みを抱える方です。
なぜ、園芸店で元気な姿の植物が、家に来てすぐに枯れてしまうのでしょうか?
今回は、その秘密と、対策についてお話ししたいと思います。
新たにお迎えする前にチェック
まず、これから植物を購入しようと考えている方へ。
まずネットやインスタを調べて、おススメの植物や素敵な写真で植物を選んでいませんか?
間違ってはいないのですが、その前に、自宅が植物を育てられる環境になっているのかをチェックする必要があります。
どの植物を育てるかの前に、植物が育つ環境を最低限整える必要があります。
大事なポイントは3つ!
・日当たり
・温度
・風通し
こちらを最低限checkしてください!
どんな素敵な植物でも、環境に合っていなければ、あっという間に枯れます。
それでは、それぞれの条件について詳しくご紹介しておきますね。
日当たり
先ず、植物を大きく2つの分類に分けます。
屋外用の植物か、屋内用の植物か。
ここを知らない方が非常に多いです。
というか、園芸店の方でも、外で育てるのか、家の中で育てるのか分かっていない方もいます。。。
日光という視点でお話をすると、
植物が生育に必要な光線は可視光線と言われる光線です。
これは、窓越しの光で紫外線がカットされた光にも含まれているため屋内でも屋外でも、可視光線は届きます。
ただ、どうしても屋内と屋外だと光線量に差ができます。
外で育てる植物は、沢山の光線量が必要な植物なので、屋内での生育が不向きになります。
しっかり室内で日光を当てれば育つことは育ちますが、ほとんどの場合は傷みます。
そのため、私は屋外で育てるべき植物を屋内で育てることはおススメいたしません。
一方、屋外で育てる観葉植物は、一度生産者によりハウス内などで耐陰性を高め、室内で育てやすい環境に慣らしてから出荷されています。
なので、室内観葉植物は屋内の光線量でも生育OK、
逆に急に強い直射日光に当ててしまうと、葉焼けを起こしてダメになってしまうのです。
温度
室温や外気温は、植物の体調に大きく関与します。
特に今年のような猛暑が続く年は、暑いだけで植物がダメになる事があります。
結論から言うと、
人間にとって最適な気温は、植物にとっても過ごしやすい気候です。
15℃~28℃くらいの気温が最も過ごしやすい気温です。
植物は30℃を超えると逆に成育が緩慢になり、半休眠状態になります。
冬は生育を止めて休眠に入ります。
植物によって最適温度は異なりますが、ほとんどの植物は基本的にこれです。
それでは、植物ごとに温度の解説をしましょう。
観葉植物
熱帯出身の観葉植物は、種類によって耐寒性が異なります。
室内で育てる際には15℃以上を保って育てていただくのが無難です。
冬は暖房器具をつけて温度を高くしてください。
夜も気温が下がらないように空調をつけておくのがベストです。
もしくは、常に暖かい部屋に移動していただくとよいでしょう。
乾燥する季節ですが、寒い時に霧吹きするのはやめましょう、高温多湿を好む反面低温多湿は好みません。
霧吹きする際は、温度が上がってからにしましょう。
夏は観葉植物が元気に育つ時期だから安心・・・ではないのです!
気密性の高い住宅では夏が高温になりすぎて、観葉植物が夏バテを起こします。
猛暑が続く日は、閉め切った室内では人間でも危険ですね、同じく植物にも危険なのです。
風通しを良くするか、エアコンで気温を下げて育ててみてください。
寒い日・暑い日に重要になるのが水やりの頻度です。
冬は、土が完全に乾ききってから1,2日置いて水やりでも丁度よいです。
鉢下から水が出るまでたっぷり与えてみて、1週間以内に土が渇けばOK。乾かなければ、水の量を半分にしてみてください。
夏の猛暑時は、土の表面はすぐに乾きますが、植物の活性が失われているため土の中は濡れていることが多いです。
しっかり土の中まで乾燥したことを確認してから水やりしてください。
冬と同じく、鉢下から水が出るまでたっぷり与えてみて、1週間以内に土が渇けばOK。乾かなければ、水の量を半分にしてみてください。
庭木
屋外で育てる植物です。
最近はオーストラリア系・アフリカ系植物などが流行っていますね。
基本的に海外の植物でも、日本に気候が似ている国の植物であれば生育可能です。
北は北海道、南は沖縄と、日本国内でも気温差があります。
育てられる地方によって向き不向きがありますので、植える場所の最高気温と最低気温に合った植物を植える必要があります。
基本的に、日本や中国大陸などに生息する植物は、国内のほとんどの場所で育てられます。
また、オーストラリア東部は日本の気候と類似しているため、育てやすい植物が多いです。
しかし!!
最近日本の気候は熱帯化しつつあります。
真夏は35℃近くまで達し、雨は瞬間的なスコール。
海面温度が上昇することで台風の進路まで以前と変わってきています。
そして短い春と秋に、暖冬。
街中は一日中街灯がついていて、明るく暖かいため、植物の体内時計がおかしくなっております。
もはや今の日本の気候での植物の育て方は、以前から本に書かれている方法とは異なり始めていると、私は考えているのです。
暑すぎる夏は、庭木も辛いです。
なるべく早く剪定して、葉の数を減らし風通しを良くする事で樹への負担を減らすことができます。
冬も暖かい日が続くと、落葉する事が出来ず、翌年に力尽きてしまう事が良く起きています。
12月になってまだ紅葉しているよう出れば、手で強制的に葉をむしって落葉させていただくと、冬にしっかり休眠ができるのでお勧めです。
風通し
実は見落とされがちなのはこの風通し。
風通しを良くしなければいけない理由は以下の通りです。
1,虫を防ぐ
2,蒸れを防ぐ
3,徒長を防ぐ
4,根腐れを防ぐ
この4つが挙げられます。
それではそれぞれについて解説しましょう。
1,虫を防ぐ
観葉植物は、風のない場所では葉にほこりが積もってしまいます。
ほこりが積もると、ハダニという害虫が発生します。あっという間に増殖し、葉から樹液を吸って植物を痛めます。
その他、カイガラムシ、アザミウマ、コナジラミなど、葉が茂った状態で放置していると、樹の内側の風通しの悪い場所で虫が大量発生し、内から植物が枯れてしまいます。
これは、庭木にも言えることで、植物全般的に、風通しを確保することで害虫の発生を防ぐことができるのです。
定期的にお手入れし、さっぱりと綺麗な樹姿をキープすることで、樹全体に風を取り込めるように維持しましょう
2,蒸れを防ぐ
風が通らない場所で育てていると、土の近くでは蒸発した水分により蒸れが生じて葉に悪影響を与えます。
また葉が混みあった植物では、内側に湿気が溜まり、カビや虫の温床になり、植物が病気になりやすくなります。
葉の健康を保つためにも、定期的な剪定で、葉を透かす事が重要です。
内側に生えている枝葉を取り除くだけでも効果があるので、定期的にメンテナンスを行ってください。
3,徒長を防ぐ
風が全くない状態で植物を育てると、植物は徒長してしまいます。
徒長とは、日が当たらない場所で育てると、葉が小さく、茎が間延びして長く伸びてしまう成育障害の事です。
なぜ風がないと徒長するのでしょうか?
それは、植物は風に揺らされると、茎を太くして折れないように防御する機能が働きます。
この時に分泌されるのがエチレンという物質です。
エチレンは植物ホルモンの一種で、葉や幹の成長を促進したり、果実を成熟させることに働く物質です。
風に揺らされると、エチレンが作用して幹が太く成長するのです。
しかし、無風状態では刺激がないためエチレンが分泌されず、幹が太くならず徒長してしまうのです。
部屋の空気が循環するだけでも効果はあります。
植物の横を歩いて通り過ぎるくらいの風があれば徒長は防げますので、サーキュレーターや扇風機。エアコンなどを稼働させて空気の循環を行っていただく事で、植物は元気に育ちます。
4,根腐れを防ぐ
風の吹く場所では土の渇きが促進されます。
物理的に水分が蒸発しやすくなるからです。
土が渇きやすくなることで、土の中の根の呼吸を助ける働きがあります。
根腐れは土が常に湿った状態が続くことで引き起こされる病気です。
なるべく早く土を乾かすことで、根腐れを防いで植物を健康に保つことができます。
活性が落ちた植物は、水やりを控えて、風通しの良い場所で管理するのがおススメです。
根腐れするとなかなか復活させるのが困難です、根腐れを起こさないように、水の量と風通しには、
最大限注意しましょう!
まとめ
観葉植物や庭木を新たにお迎えする際は、
・日当たり
・温度
・風通し
この3点がしっかり確保できる環境にあるかをチェックしてみてください。
どれか一つでも欠けていると、うまく植物が育ちません、
まずは自宅のコンディションをチェック。
そのあと、欲しい植物がどんな気候を好むかで、育てられるか否かが決まってまいります。
これから植物を育てられる方は、是非上記の方法をお試しください。